音楽によるアウトリーチ 神戸女学院大学音楽学部
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密着ドキュメント

密着ドキュメント

ここでは実際のコンサートがどのように作られていくのか、そのプロセスを密着ドキュメントで追ってみましょう。2005年7月2日(土)に神戸女学院講堂で行われた第11回「子どものための七夕コンサート」の準備からコンサート当日までを写真でご紹介します。

この日の様子が動画でもご覧になれます

神戸女学院の「子どものためのコンサート」は企画から実施まで、学生たちの主体的な取組によって進められます。今回の七夕コンサートは織姫と彦星を主役に、劇仕立てで進めることに決定。アウトリーチを履修する4回生たちが何度も話し合って決めました。台本も手作りです。自分の台詞をマーカーで示したり、変更を書き込んだり、いろいろと工夫を重ねていきます

舞台稽古が始まりました。これまでそれぞれ練習してきた成果を持ち寄って、一つの舞台にまとめていきます。編曲者の中村健先生(音楽学部教授)も楽器のバランスや編曲の仕上がりをチェック。演奏の細部についても指導があります。

お互いの役割やタイミングについて確認しあいながら練習を進めます。時には意見百出で長い議論になることもあります。それぞれが知恵を出し合い、十分に話し合うことでよりよい舞台をめざします。

演奏についても細かく打ち合わせていきます。特にアンサンブルは複数の奏者が絡み合うので、十分な練習が必要です。アウトリーチ担当の津上智実先生からは、聴衆の目線で自分たちの音楽とプログラムを考えることを強く求められます。

いよいよコンサートの当日を迎えました。あいにくの空模様にもかかわらず、たくさんのお客様が来場下さいました。子どもたちにはまず、コンサート終了後に行われる体験コーナーの楽器を選んでもらいます。

早く来られたお客様には、会場に用意した笹に七夕飾りを付けてもらいます。家から楽しみに作ってきましたと言って下さる方もあって、構内の竹薮から切り出してきた甲斐があったことを感じる瞬間です。一方、開演直前の出演者たちは、緊張の中にも皆で心を一つに合わせ、コンサートの成功を祈ります。

いよいよ開演です。今日は年に一度の七夕なのに、なぜか悲しそうな彦星。今年は雨が多くて天の川を渡る虹の橋が流れてしまい、織姫に会えないと嘆きます。じゃあ、みんなの音楽の力で橋をかけようといろいろな曲を次々に演奏します。まずはホルストの≪惑星≫から<木星>をアンサンブルで、次に2台ピアノやマリンバ、ヴィヴラフォンなどの演奏が続きます。でもまだ橋はかかりません。

そこで、会場の子どもたちにも歌や手拍子で手伝ってもらって、ようやく天の川に虹の橋がかかりました(きれいなイルミネーションがついてバンザイ!)。お蔭で織姫が登場、彦星と出会うことができました。みんな、ありがとう!

プログラムの最後は、織姫の歌も加わって<木星>のアンサンブルで締め括ります。これでコンサートは無事に終了。お客様のあたたかい拍手でカーテンコールとなりました。

終演後は、恒例の楽器の体験コーナーです。舞台に上がって、子どもたちにマリンバやヴィヴラフォンに触れてもらいます。各楽器には専攻の学生や卒業生がついて、楽器をうまく鳴らすコツをアドヴァイスをします。

講堂の隣のソール・チャペルではフルートの体験コーナー。フルートは音を出すのがむずかしいので、挑戦する子どもたちは皆、苦戦します。指導に当たる学生も汗びっしょり。何度もトライして最後に音が出たら、思わず周りから拍手が起こったこともありました。

来場のお客様にはお帰りの際にアンケートを書いて頂いて回収します。アンケートに寄せられた意見や感想を読むのはコンサート終了後の大きな楽しみです。

舞台や舞台裏の片づけ、楽器や機材の撤収が済んだら、皆で反省会をします。出演者たちからは舞台での思わぬハプニングやとっさの工夫が披露されます。スタッフとして手伝ってくれた3回生たちからも、お客様について、コンサートの進め方について、気が付いた点や今後の改善点についていろいろな意見が出されます。このように成果と問題点を共有することによって、シリーズの伝統を継承し、さらなる向上と発展をめざします。

この日の様子が動画でもご覧になれます