台湾留学をきっかけに大阪大学大学院に進学
- 文化人類学を学び世界への貢献をめざす -
- 在学生
- 大阪大学大学院人間科学研究科 進学 4年生 庄田さん
英文学科で英語を学びながら、中国語の学習にも力を入れた庄田さん。留学先の台湾で現地の先住民の暮らしに興味を抱いたことから、大学卒業後は大阪大学の大学院で本格的に人類学を学ぶことを決めました。将来は学びを生かして世界に貢献したいという庄田さんに、学生生活を振り返ってもらいました。
キラキラしていた先輩たちに憧れ
私は高校生の頃から、海外と日本の関係について関心を抱いていました。きっかけの一つは「日本語を母語としない親を持つ子どもたちが、言葉や学習で苦労している」というニュースを見たことです。そのことを知ってから、「大人になったら、困っている外国の人を手助けをできる人になりたい」と考えるようになりました。大学では英語ともう一つの語学を学ぼうと考えていた私が神戸女学院大学を選んだのは、オープンキャンパスで出会った先輩たちがすごく輝いていたことが理由です。オープンキャンパスの前日に高校の先生から「行ってみたら?」と勧められて、電車を乗り継いでドキドキしながら一人で参加したのですが、先輩たちは私の緊張がほぐれるように笑顔で優しく接してくださいました。テキパキと対応をする姿、親身に話を聞いてくださる姿がキラキラと格好よくて「こんな女性になりたい!」と感じました。
もう一つ、神戸女学院大学への進学の決め手となったのが、留学制度が充実していることです。海外の協定校へ4ヶ月〜1年の期間留学する派遣留学は、留学先の学費が無料なのに加えて、留学中の大学の学費も4分の3が免除されます。私は高校生の頃から大学在学中に留学することが夢だったため、コロナ禍真っ只中の1年生のときから国際交流センターの方にオンラインで何度も相談して、留学に備えた勉強を継続しました。
授業と留学で大きく伸びた語学力
英文学科で受けた授業でとても印象に残っているのは、フィリピン出身の先生が教えてくださった「リーダーシップ&キャリアデザイン」です。この授業では、世界のさまざまな地域で活躍している女性を取り上げて、その活動について話し合ったり、海外の銀行でバリバリ働く方の話をオンラインで伺ったりしました。この授業を受けたことで、「社会の第一線で活躍する女性がたくさんいる」という現実を知り、自分自身もそのような人生を送りたいと考えるようになりました。また、授業は基本的にすべて英語で、学生が発表する機会も多く、実践的な英語のプレゼン力も鍛えられました。
私が留学先として選んだのは、台湾の文藻外語大学です。2022年9月から翌年の2月まで約半年間、現地の大学生と英語で授業を受けつつ、大学構内にある語学学校で世界各国から来た留学生といっしょに中国語を学びました。中国語を学んだのは神戸女学院大学に入学してからでしたが、1、2年生のときにオンラインで受けた小林隆道先生と談謙先生の中国語の授業で基礎がしっかり身についていたこともあり、留学先ではいちばん上の語学クラスに配属されました。また留学先で暮らした寮は、4人部屋のうち3人が台湾の学生で、友だちになった子の実家に遊びに行くほど関係が深まりました。
台湾留学の前に、瀬戸智子先生の歴史学の授業で、日本と韓国や台湾、中国などアジア各国の近現代の関わりについて学べたことはとても意義深く、現地の人と会話する上で日本統治時代の台湾の歴史についてきちんと知っておくことは、日本人としてのマナーであると感じます。
私はまだ、世界を知らない。
大学の授業と留学を通して、英語ではTOEIC®が800点、中国語ではHSK5級を取得することができました。また語学力の向上だけでなく、異文化を深く理解することの魅力を知った私は、「大学院に進学して、文化人類学を本格的に勉強したい」と考えるようになりました。将来、世界のマイノリティの人々をサポートするような仕事に就くためには、大学院で修士課程の修了が必須であることも、大学院進学を決めた理由のひとつです。
大学院へ進学したいと、ゼミの指導教員である南出和余先生に相談したところ、学会に連れて行ってくださったり、台湾から資料調査のために研究者・大学院生が15名ほど来日した際、先生の紹介で大阪の国立民族博物館で通訳ボランティアをさせていただいたりと、貴重な学びの機会をいただきました。
私は卒業論文のテーマとして「台湾原住民の子どもたちの教育問題」について執筆しました。そのテーマを選んだのも、大学や留学先での数々の出会いがきっかけとなっています。4月からは、大阪大学の大学院で人類学を本格的に学びます。その先には学んだことを活かして、世界の社会課題の解決に少しでも貢献できる人をめざしていきたいと思います。
Profile
- 英文学科
- 4年生 庄田さん 大阪大学大学院人間科学研究科 進学
和歌山県立向陽高校卒業。2020年、文学部英文学科に入学。中高6年間、吹奏楽部でクラリネットを演奏し、吹奏楽コンクールでは関西大会に出場。神戸女学院大学在学中はウインドオーケストラの授業を履修し、音楽学部の学生たちと一緒に定期演奏会やコンサートに出演した。