
「なぜ」を突き詰めることで養われた力
- 食への関心から飛び込んだ「理系」の世界 -
- 在学生
- 長岡香料株式会社 内定 4年生 前田さん
食べることが好きで、食について科学的に学ぼうと環境・バイオサイエンス学科に入学した前田さん。食品基礎科学研究室で実験や研究に取り組む「理系」の学びを通じて、物事を見つめるまなざしも変わっていったそう。どんな4年間の歩みを重ねたのでしょうか。
食について学ぶため文系から入学
幼い時から、料理やお菓子を作ることや食べること、人に食べてもらって喜んでもらうことが大好き。それが高じて、身体に良い食べ物やその仕組みなど、食について専門的に学びたいと思うようになりました。神戸女学院大学のオープンキャンパスで、「食品基礎科学研究室」を見学した時、高岡素子先生から直接お話を伺う機会があったんです。食べ物が持つさまざまな力を科学的に解明していく研究に興味がわき、「この研究室で学びたい!」という気持ちがつのって受験することを決めました。
高校は文系だった私は、理系科目についてはほんの少しかじった程度。大学の授業についていけるか不安でしたが、少人数制で先生方がわかりやすく丁寧に教えてくださり、ささいな疑問も理解できるまで質問できるので、安心して学ぶことができました。憧れの研究室に入りたい一心で真剣に授業に取り組み、希望が叶った時は本当に嬉しかったです。

産学連携プロジェクトで冷凍食品を開発
食品基礎科学研究室では、食品会社や化粧品会社との共同開発も行っています。私たちは授業の一環で化粧品メーカーとコラボレートし、美しさにつながる食材にこだわった冷凍宅食総菜の新メニュー開発に取り組みました。どんな食材が冷凍に向くかを調べ、栄養素も考えてレシピを工夫。ディスカッションと試作を繰り返してメニューを完成させ、4種類の商品を販売につなげることができました。
食品だけでなくマーケティングに関する知識も一から学び、メーカーの担当者の方に講義をしていただいたことも勉強になりました。万人受けを狙うよりも、食べる人の年代・仕事・ライフスタイル・利用シーンなどを明確に想定してターゲットを絞り込むことで、より個性的で魅力的な商品を開発でき、ヒットにつながる。そのような学びも活かして開発した商品が実際に市場に出て、多くの人を笑顔にできたことに喜びを実感。この時の体験が、進路を選ぶにあたっての基準となりました。

薬膳茶を題材にした卒業研究で「なぜ」を探究
卒業研究には薬膳茶をテーマに選びました。心身に良いとされる薬膳を、ふだんの食生活にもっと気軽に取り入れられないかと考え、クコの実・ナツメ・プーアル茶などの薬膳素材をベースにしてオリジナルの薬膳茶を製作。配合をさまざまに変えて抗酸化作用の数値を測り、実際に試飲してもらった人の心拍数や血流量の変化を測定して、どのような影響があるかを調べました。
先行研究が少ない分野だったので研究方針を決めるのにも苦心し、結果に一貫性を持たせるため同じ実験を繰り返し行うなど大変な面も多かったのですが、予想した効果をきちんと数値として実証することができました。思った以上に甘くておいしいお茶ができあがり、商品化したいと思ったほど。苦労の甲斐あって納得のいく成果を得られた達成感を味わうとともに、食生活に配慮することの大切さを再認識しました。
実験や研究で「なぜ」を突き詰め、試行錯誤し、失敗したらその原因を考える。理系ならではのそうした学びによって、これからキャリアを重ねる上でも活かせる力が身についたように思います。

私はまだ限界を知らない
卒業後は、香料メーカーで営業職を務めます。就職先の長岡香料株式会社は、フレーバーやお菓子、飲料、デザートなど食品向けの香料を開発・製造し、食品メーカーなどに販売する会社。食に関わる仕事をしようと食品メーカーも受けて何社か内定をいただきましたが、一つのジャンルでなく香料を通じてさまざまな食品やお菓子に携われることを魅力に感じました。香りは人が感じる美味しさに直結していて、美や健康に役立つ面も多く、また一口にイチゴといっても季節によって好まれる香りが異なるなど、奥深い世界があります。大学で学んだ専門知識も活かして、お客様により良い提案を行い、いつかコンビニやスーパーに並ぶヒット商品に関わってみたいと思っています。
4年間の学生生活を通じて、先生方や友人たちとの新たな出会いやリベラルアーツの学び、様々な資格の取得、ボランティア活動、アルバイトと、本当にたくさんの経験を積むことができました。その中で得た、固定概念にとらわれない考え方、そして何事にもチャレンジする精神で、新たな一歩を踏み出していきたいです。

Profile
- 環境・バイオサイエンス学科
- 4年生 前田さん 長岡香料株式会社 内定
兵庫県立明石城西高等学校卒業。2021年に人間科学部環境・バイオサイエンス学科に入学。在学中には資格取得にも力を入れ、大学で指定科目を履修することで取得できる環境再生医(初級)と自然再生士補に加え、食生活アドバイザーと手話検定も取得。一度不合格でもあきらめず再挑戦した姿勢は、就職活動でも高く評価されたそう。