心理・行動科学科

資格取得と希望の仕事、2つの夢に挑戦

- 精神保健福祉士養成課程の学びを経て成長 -

株式会社中国銀行 内定 4年生 佐々岡さん

人間科学部心理・行動科学科で学びながら精神保健福祉士養成課程も受講する佐々岡さん。国家資格取得をめざす一方で、銀行員になりたいという夢も抱き、どちらの目標にも全力でチャレンジ。やりたいことに前向きに取り組む佐々岡さんに、どんな学生生活を過ごしてきたか振り返っていただきました。

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家族の病をきっかけに心のケアやサポートを学ぶ

中学生の頃、祖父母が相次いで体調の崩れから精神的な病気となり、特に明るい性格だった祖母の笑顔がまったく見られなくなった時期がありました。それから、心の問題を抱える人のケアやサポートについて学びたいと考えるように。神戸女学院大学の心理・行動科学科は、「行動科学」「臨床心理学」「精神保健・福祉」の3つの領域を学べるため、最初から領域を絞り込まず幅広く勉強できるのを魅力に感じました。ここなら自分の進みたい分野を模索しながら将来の仕事を思い描くことができそうだなと。また精神保健福祉士の養成課程があり、専門知識を学ぶだけでなく国家資格が取得できるのもポイントでした。
一般教養では「人権論」の授業が印象に残っています。人間が人間らしく生きるために必要な権利や、様々な差別の歴史をはじめ、「精神保健・福祉」の領域に関わる障がい者の差別について学びました。人権について正しい知識を知ること、常に自分をアップデートし続けていくことの大切さに気づくきっかけになったと思います。

精神保健福祉士養成課程の学びで得たもの

精神保健福祉士の養成課程では、利用者役と支援者役に分かれてのロールプレイ、グループでのディスカッションなど、実践的に学ぶ場面が多くあります。実際の事例に基づいて原因や具体的な支援を探り、こうすればもっと良いサポートができるのでは、こんな方法もあるなどと意見交換することで、自分の価値観や考え方を見つめ直し、新たな視点を得る場にもなりました。大人数の講義はどうしても受け身になりがちですが、私たちのクラスは4人グループ2つで計8名の少人数体制。自分たちが主体となって能動的に取り組まないと授業が進まないため、自然に積極性も高められたと思います。
資格取得に必要な実習では、認知症患者など高齢者の方が多い実習先を希望し、精神科病院と地域の支援事業所に行きました。現場で実際に患者さんや利用者さんと接し、たくさんの貴重な体験ができました。「この人になら相談してもいいかな」と思ってもらうためには、笑顔や相づちなど小さなことを積み重ね、相手との距離を縮めることが第一歩。その上で困りごとやどうしたいかを聞き出し、客観的な判断を行わなければなりません。関係性をしっかりと築き、相手の気持ちを尊重して寄り添うことが何よりも重要だと学びました。

銀行員という新たな目標にも挑戦

はじめは精神保健福祉士資格を取得して福祉の道に進むつもりでしたが、就活を始めてから「銀行員になりたい」という新たな目標が生まれました。説明会に参加したり、銀行に勤める姉の話を聞いたりするうちに、「人対人」という意味で自分の学びがいかせるのではと思ったのです。精神保健福祉士養成課程では、相手との関係性を構築し、相手の抱える悩みや要望を洞察してニーズに沿ったサポートを行うことを学びました。銀行員は、お客様との信頼関係をもとに一生涯をサポートする仕事ですから、重なる部分も大きいと確信。メガバンクなども検討した中で、地域に密着してお客様との密接な対話が求められる地方銀行が良いと考え、地元・岡山の中国銀行を志望しました。
精神保健福祉士養成課程のグループワークで磨いた発言力や積極性は、就職活動でも発揮することができました。周囲より早く活動に取り組んだり、インターンシップで誰よりも早く手を挙げて発表したりと、自ら進んで行動する姿勢を評価していただけたことが、良い結果につながったのかなと思います。

私はまだ不可能を知らない

「精神保健福祉士資格の取得」と「銀行員になること」、どの道を選ぶか悩んでいた私を勇気づけてくださったのが、精神保健福祉士養成課程の先生です。「どちらの夢もあきらめる必要はない。やりたいことを両方頑張ってみたら」と言っていただき、妥協せずにチャレンジしようと決心しました。2つの夢を全力で追いかけることができたのは、先生方が支えてくださり、様々な機会を提供してもらえる恵まれた環境が整ったこの大学だからこそだったと思います。
4年間の心理学の学びを通じて、人の心や行動を理解し、これまで知らなかった新しい世界の扉を開けながら、自分をブラッシュアップすることもできました。コミュニケーションスキルとともにき、悩みを抱えた人の心に寄り添う力も身に付けられたと感じます。目標に向かって積極的に行動し、チャレンジをあきらめないこと。人の心を理解し、寄り添うこと。神戸女学院大学で得たこれらの大きな学びを力にして、これからも自分がやりたいことにためらわず挑戦していきたいと思います。

Profile

心理・行動科学科
4年生 佐々岡さん 株式会社中国銀行 内定

私立岡山学芸館高等学校卒業。2021年に人間科学部心理・行動科学科に入学。卒業論文のテーマは「スピリチュアリティが主観的健康感に及ぼす影響について」。スピリチュアルなものに対するイメージと心身の康康の相関関係を調査し、高校生にもアンケート調査を行うなどして仕上げた力作。