英語を学び、世界の広さを知る
- 教師として生徒たちに伝えたいこと -
- 卒業生
- 兵庫県立高等学校英語教諭 長谷川さん
英文学科を卒業後、公立高校の英語教員として活躍されている長谷川さん。大学入学当初から「英語教師になる」という目標をもち、そこに向かって自分から積極的に動いていたそうです。学内・学外で世界中の人と触れ合えたという4年間について、お話してもらいました。
英語という言語そのものを深く学び、理解する
幼いときからずっと英語が好きで、学ぶことが楽しく、大学でも「英語力を身につけたい」という一心でした。神戸女学院大学の英文学科では、国際関係、英米文学、言語コミュニケーションなど、英語にまつわる幅広い分野を学ぶことができます。実際にいろいろな授業を受けてみたうえで、私が専門的に学びたいと思ったのは言語学。英語を使って何かを学ぶのではなく、英語そのものを深く多角的に学ぶことを選びました。特に、英語の音声に興味を持ち、卒業論文では、単語や文と、その発音との関係性について研究。言語には規則性があるだけではなく、その背景には必ず文化や人が存在する身近で奥深い学問です。言語を深く研究し、理解した経験は今、生徒に英語という言語を教えるうえで非常に役立っています。
現地の文化と価値観を吸収した、7ヶ月間の留学
4年間の大学生活を振り返ってとくに思い出に残っているのは、3年生後期の中期海外研修です。7ヶ月間、現地の文化と価値観にどっぷり浸かりたかったので、ホームステイを選びました。ステイ先のファミリーや新たにできた友人との交流も、街中の様子も、見るもの・聞くものすべてが新鮮で興味深く、日本に本当に帰りたくなかったのを覚えています。さまざまな国籍の友人をもつことで、多様な価値観に触れ、そのうえで喜びなどを分かち合えることに幸せを感じました。そして、言語コミュニケーションの大切さを改めて実感しました。
語学学校では英語を話す機会がとても多かったので、リスニング力とスピーキング力が非常に磨かれました。最後の1ヶ月間は旅行会社のインターンシップに参加し、電話対応やパンフレットの翻訳などの業務を体験。まだまだトレーニングが必要だとは思いましたが、「海外で働くこともできる」という自信を持つことができました。
教員になると、学校という狭い世界のなかで仕事をすることになります。その前に日本を飛び出して世界の広さを知れたことは、私の人生や教職に就くことにおいてとても貴重な経験になりました。
英語教師を目指して、課外活動にも積極的に参加。
卒業後は教員になるつもりで入学したので、1年生のときから教職課程を履修していました。さらに「学生のうちから教える経験を積みたい」と思い、公立小学校での教育ボランティアや塾でのアルバイト、海外教育ボランティアにも挑戦。教授にも学外での活動を紹介していただき、幅広い年齢層とレベルの生徒と接することができました。
また学内の国際交流センターも積極的に利用。留学生の歓迎会やシティツアーなどのイベントに参加したり、留学生のお世話をする「留学生バディ」を務めたりするなかで、自分の英語力も鍛えられたと思います。教職センターの職員の方には、留学と教職の両立についての相談時に背中を押していただき、留学に踏み出すことができました。
授業以外にも、学びの機会にあふれているのが大学の魅力です。その機会を活用し尽くした4年間だったと思います。
大学4年間の学びを経て、母校の小学校で英語を教えられたことは、私にとって忘れられない大切な思い出です。
私はまだ、世界の英語教育を知らない。
教師としての私の願いは、生徒たちが英語を楽しく学んでくれること。そして、その先の長い人生で、英語を活かして広い世界で生きていってほしい。いつもそのことを考えながら授業をしていますが、「卒業した生徒たちは、本当に英語力を身につけることができたのだろうか」と自問するとき、未だに胸を張って「できた」と言い切ることはできません。教師としての経験を重ねるほどに、生徒たちには高校生の間にもっとたくさんの成功体験を積んで、英語を話せるという自信をもって卒業し、国際社会に出てほしいと考えるようになりました。
それだけの授業ができるようになるために、世界中の英語の教育現場を見て回るのが私の夢です。そして私自身の英語力や人間力もさらに磨き、生徒たちにお手本を示せるようになりたいと思っています。
Profile
- 英文学科
- 長谷川さん 兵庫県立高等学校英語教諭
兵庫県立北摂三田高等学校を卒業後、2012年4月に神戸女学院大学文学部英文学科に入学。卒論コンテストでは最優秀賞に選ばれる。2016年に卒業後、科目等履修生として教育実習に参加し、教員採用試験に一発合格。現在は公立高校の英語科教諭として勤務し、高校3年生の担任を務めながら、女子ソフトテニス部の顧問もしているとのこと。