英文学科

学生の夢を応援するサポーターに

- 客室乗務員からエアラインスクールの講師への転身 -

エアラインスクール講師 中山さん

神戸女学院大学を卒業後、客室乗務員として世界中を飛び回っていた中山さん。現在はエアラインスクールの講師として、かつての自分と同じ夢をもつ学生をサポートしています。
大学時代からどのようにキャリアを積み上げてきたのか、その変遷を聞かせてもらいました。

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自立してしなやかに生きる女性への憧れ

神戸女学院大学は母の母校でもあり、父が私の入学を強く希望していました。私自身が入学したいと思ったのは、実際にキャンパスを訪れたとき。美しい校舎や自然豊かな環境に心惹かれたことを覚えています。
また、神戸女学院大学の卒業生の方々とお会いする機会がたびたびあったことも、今思えば入学の決め手のひとつでした。みなさんのキャリアはさまざまでしたが、芯の通った優しくしなやかな女性という点が共通していて、「私もこんな大人になりたい」と思うように。自立して、自分のやりたいことを形にしている姿に憧れました。
実際に入学してからできた友達も、自分自身の目標に向かって努力していた学生ばかり。その姿を見ていると、私も怠けているわけにはいきませんでした。航空業界をはじめ、英語を使う職業を目指している同級生も多く、切磋琢磨できる環境だったと思います。

就職活動を前に、学生生活への姿勢が変化

1、2年生のときは授業にアルバイトに、目の前の学生生活を謳歌するばかりで、目的意識には欠けていたような気がします。
転機となったのは、3年生になって就職活動を意識し始めたとき。「大学で学んだ結果を残したい」という思いから、学んだことを生かせる就職先を考えるようになりました。その中でたどり着いたのが、「客室乗務員になって国際的に活躍する」という目標です。
この目標が定まってからは、学生生活に対する姿勢が変わりました。どんなスキルを身につけられるかを考え、イギリスへの短期留学にも挑戦することに。語学力を磨く一方、移民の文化に触れる機会もあり、人の心やコミュニケーションに対する関心が高まりました。
また、私は器用なタイプではなく、面接でだけ自分をよく見せようとしても絶対にうまくいかないだろうと思っていたので、日常生活も改善。立ち居振る舞いに気をつけ、理想の自分に近づけるよう姿勢や態度を改めました。振り返ってみると、人生でいちばん努力した時期だったと思います。

悩んだ末の選択。学生の夢をサポートするために

第一志望の航空会社に就職することができたときは、本当にうれしかったです。仕事も充実していたのですが、「人の悩みを解決するお手伝いがしたい」という新たな目標を抱くようになりました。
きっかけとなったのは、客室乗務員を目指す学生の相談にのる機会が多かったことです。なかには「内定が決まった」という連絡をくれる学生もいて、応援することにやりがいを感じました。
また私自身、学生時代は「客室乗務員なんて自分になれるわけない」という諦めからスタートしたんです。たくさん悩んだ経験があるからこそ、今悩んでいる学生の気持ちに寄り添えるのではないかとも考え、非常に悩みましたがエアラインスクール講師への転職を決意しました。
今の仕事では、自分で想定している以上に、自分の言葉が影響を与えているのではないかと感じることがたびたびあります。アドバイスに対して「ありがとうございます」と言われるのはもちろんうれしいのですが、責任は重大。ひとことの重さを常に意識して、学生の指導にあたっています。

私はまだ、人と人との心をつなぐ方法を知らない

学生時代からずっと、人と人の心をつなぐコミュニケーションに興味をもってきました。誰しも一度は、「今すごく心が通じ合った」という瞬間を経験したことがあると思います。でも、それは仲のいい友達や恋人、家族であってもまれにしか起こりません。その頻度を上げていくことができれば、より深く・より強く人とつながれるようになるのではないでしょうか。
エアラインスクールでの講習でも、そうした瞬間が訪れることがあります。面接対策を始めたばかりの段階では、表面的な話に終始する学生がすごく多いんです。でも「熱い思いを伝えるために、自分自身の言葉できちんと語ってほしい」と伝えると、悩みながらもすごくいい回答を作り上げてくれる学生たちがいる。そんなとき、「心をつなげることができた」と実感します。
こうしたコミュニケーションを、学生以外にも広げていくのがこれからの目標。まだ漠然としていますが、少しずつ形にしていくつもりです。

Profile

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中山さん エアラインスクール講師

2009年3月、神戸市立六甲アイランド高等学校卒業。2013年3月、神戸女学院大学 文学部 英文学科卒業。同年、日本航空株式会社に入社し、幼い頃から憧れていた客室乗務員の夢を叶える。2017年に退職し、コミュニケーションに関する研修・教育を行う株式会社エデュに入社。現在はエアラインスクールの講師として活動するほか、ヒューマンリレーションにかかわる様々な企画の立案や運営に携わっている。