知ろうとすることが、世の中を変える
- 動くことが誰かの幸せに繋がると信じて -
- その他
- LITALICO勤務 飯さん
三代続いて神戸女学院大学で学んでいるという飯さんが在学中に夢中になっていたのは、国際協力活動。それは、大学の講義とは直接関係のない課外活動だったものの、その経験と大学での学びが自然と融合し、興味や理解をより深めることに繋がっていました。今も、「愛神愛隣」の精神にもとづいて誰かの幸せために力になりたいという気持ちで働き、学び続ける彼女に、お話しをうかがいました。
学びを深く立体的にしてくれたのは、自分の目で見ること
私が神戸女学院大学に入学したのは、世界の文化や情勢を広く学びたい、将来海外で活躍するためのリベラルアーツを身につけたいと思っていたからでした。文化、社会学、心理学、宗教学など、幅広く履修していましたが、その学びをより深めることができたのは、課外活動として海外ボランティアでの経験があったから。学生主体のNPOで労働奉仕のボランティアを企画運営したり、学内で国際協力サークルを立ち上げ、劣悪な住環境で暮らす人のために家を建てに行ったり、さまざまな形で国際協力に携わっていました。発展途上国に足を運ぶことで目の当たりにしたのは、授業でも取り上げられる社会問題のリアルと、未だ把握されていない数々の問題。講義だけでなく、体験が伴うことによって、大学での学びを濃く立体的に理解できた感覚がありました。
利用者一人ひとりの幸せを強く信じて、見守っていく
現在、私が勤務しているのは、「障害は人ではなく社会の側にある」という考え方のもと、すべての人の可能性が最大限に拡がる社会を目指して多様なサービスを提供している株式会社LITALICO。入社してから携わってきたのは、主に精神障害や発達障害があり働くことにブランクができた人の仕事復帰をサポートする仕事です。
今まで辿ってきた人生やこれからの希望を聞き、再び働くための問題解決策を一緒に探したり、適切な仕事を開拓したり。一人ひとりの利用者の方と濃く密に向き合っていると、必ずこの人たちは幸せな未来を掴むことができる、苦しい状態を経験しているからこそ幸せになれると信じずにはいられません。人生の変化をむかえる姿を見ることができるのは、この仕事の大きなよろこびです。
大学時代に育まれた、問題意識を持ち学び続ける姿勢
この仕事に携わることで、初めて知ることが多くありました。まず、障害によって仕事を続けられなくなって辛い思いをしている人がたくさんいるということ。また、彼らの抱えている生きづらさの問題は、多岐に渡っているということ。そして、働く市場で当たり前となっている、転職や仕事の選択、給料の相談は、障害のある方にとっては当たり前ではないということです。そういうことを社会問題として世の中に広く認知を広めたいという気持ちが強くなり、昨年から広報として伝えることを主軸に仕事をしています。
振り返れば、なにか知らなかった状況や問題を知った時、その問題を放っておけなくて、もっと知ろうと勉強したり伝えたくなるのは、大学時代から変わりません。問題意識を大切に、自ら学びを深めていく姿勢は、神戸女学院大学で育まれたものだと思います。
私はまだ、「生きづらさのない社会」を知らない
学生の頃から、将来のテーマとして持っていたのが、「生きづらさを抱えている人が、生まれてきてよかったと思える社会をつくること」。それが、学生時代のボランティア活動に繋がり、現在の仕事にも結び付いているのですが、今後、あらためて力になれたら、と思っているのは国や自治体の制度にははまらないけど困っている方々にサービスを届けていくこと。「働くこと」に限らず、さまざまな生きづらさ・困難さを解決して、そういった方々に寄り添うサポートができたらと思っています。
Profile
- 総合文化学科
- 飯さん LITALICO勤務
2012年3月、文学部 総合文化学科卒業。現在は、株式会社LITALICO (広報部所属)に勤務している。学生時代は、課外活動として海外ボランティアに夢中になり、さまざまな発展途上国の現状を目の当たりに。卒業後に海外旅行で訪れたことをきっかけに、中東の国の美しさに触れ、昨今は「パレスチナ問題」に興味がある。