学び、経験することで、道は広がる
- 目的地を目指すなら、わたしらしいやり方で -
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- イオンモール勤務 野条さん
高校時代から英語教師を目指し、英語学習に力を入れていた野条紫花さんが、将来の可能性を広げ、企業に就職するきっかけとなったのは、在学中の海外インターンの経験。そして、企業に就職しても尚、学びへの探究心と向上心を持ち続け、再び大学院で学びを深めることとなりました。今までの学びと経験をすべて活かして、海外でのプロジェクトに挑む彼女に、お話しをうかがいました。
日本にいながら留学をしているような、英語漬けの日々
今思えば、神戸女学院大学での学生生活は、半分留学しているような英語漬けの日々でした。英文学科のクラスメイトは、帰国子女やTOEICで満点を採ってしまうほどの成績優秀者ばかり。そのレベルについていくためには、予習復習は欠かせませんでしたし、経済学などの授業も8割~9割は英語で授業が行われていたので、授業内容を理解するためには、英語力が必要不可欠でした。少人数制で先生が一人ひとりをちゃんと見てくれているので、手を抜くことは許されない厳しい環境。おかげで、英語を話すことが楽しくなり、TOEICのスコアも最終的には200点ほどアップしました。高校時代から英語教師になることを目指し、徹底的に英語力を鍛えたかった私にとっては、それがベストな環境だったと、今あらためて思います。
海外インターンシップが、将来の可能性を広げてくれた
わたしの就職活動の転機となったのが、3年生の夏休みに参加した大学が主催する海外インターンシップ(KCC/KCインターンシップ)。シカゴのフェアトレードを扱うNPO団体のショップで売上げをアップさせるための企画を考え実行する、という経験が、企業で働くという将来の選択肢を生み出してくれました。入学当初から変わらず教育に興味はあったのですが、教員という職種じゃなくても、社会の中で子どもの教育に関わることができると感じたのも大きなポイント。社会で英語がいかに役に立つかを実感してからの方が、子どもたちに英語を学ぶ大切さを伝えられるとも思い、将来の職種を広く考えるようになりました。そして私は、商業ディベロッパーであるイオンモール株式会社に就職。大型ショッピングモール「AEON MALL」の企画開発職として、新店のマーケティング、コンセプト、モール形状やゾーニング等のプランニングに携わっています。
社会経験があったから獲得できた、大学院での生きた学び
働きはじめて丸3年が経ったタイミングで、一度退職して神戸女学院大学へ戻り、大学院生として学ぶことを決意しました。その理由は、企業で働きながらも将来的には教師の道へ進もうとしていたというのがひとつ、そしてもうひとつは、教育や学校開発を学ぶことによって、ディベロッパーとして働いていた経験と学びが融合し、仕事に生きる知見が広がると思ったからでした。大学院では、言語発達や言語教育が主な研究テーマ。一度社会に出た経験から、仕事に役立ちそうなことや自分の弱点がわかっていたからこそ、生きた学びを得ることができた気がします。研究を進める上で、論理的な考え方を身につけることもできました。そして、将来のことを考え直した時にあらためて興味を持ったのは、教えるのとは別の形で教育に携わること。わたしは、新卒の時とはまたひと味ちがった可能性を感じて、再びイオンモールで働くことを決意しました。
わたしはまだ、「民間として関われる教育」を知らない
復職後、数年は国内店舗の企画開発職としてキャリアを積んでいましたが、今年、中国とASEANを中心とした海外店舗の企画開発チームに異動になりました。海外は、日本よりも子どもの人数も多く、教育にかける投資額も大きいと言われています。そういう地域だからこそ、ショッピングモールの中で教育を意識したゾーンを作ること、そして子どもを連れて行きたいと思えるような場所を作ることは、重要なポイントになる気がしています。
日本に限らず、国際的な視点で見て、これからの教育開発や学校開発がどう変わっていくのかということに、今、とても興味があります。子どもを育てることは、勉強そのものや教育機関だけでなく、社会の中での人との触れ合いや地域での関わり方にも通じるので、自ずとまちづくりやまちの価値というところにも繋がってきます。そういうものの変化や流れをきちんと捉えられるように努力しつつ、民間として、ディベロッパーとしてどう関わっていけるのかを考えていきたいですね。
Profile
- 英文学科
- 野条さん イオンモール勤務
兵庫県立三田祥雲館高等学校卒業。2012年3月、文学部 英文学科卒業。その後、就職するも、2015年に神戸女学院大学院に入学。2年間、言語学の研究に没頭する。現在は、英語力を活かし、イオンモール株式会社(開発本部開発企画統括部海外企画部)に勤務している。かつて目指していた教員の道には進まなかったものの、別の角度から教育や子どもに携わりたいと考えている。