心理・行動科学科

学びと出会い、挑戦から生まれた新たな夢

- 自分が変わるきっかけにあふれた大学生活 -

日本航空株式会社勤務 勝又さん

入学前は学校に行けない子どもたちの力になれるような心理カウンセラーになることが夢だった勝又さん。大学生活で何を学び、どのようなきっかけで客室乗務員になったのでしょうか。新たな夢を目指すきっかけとなった学生生活を振り返ってもらいました。

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大学で得た学びが新しい道しるべに

神戸女学院大学への進学を決意した一番の理由は、将来、臨床心理士の資格を有する心理カウンセラーになりたいと思っていたからです。
学びを深める中で知ったのは、臨床心理士には「患者の話を真摯に聞く」以外にも「その状況を客観的に見る」ことが必要ということ。私には向いていない職業かもしれないと考え直し始め、将来どういう道に進もうか思案しながら大学生活を過ごしていました。
そんなときに学内で行われていたのが、1学年上の先輩方が就職先の話をする「就職活動報告会」。航空会社に内定した先輩がイキイキと話をするのを見て、「私もこんな仕事に就きたい、挑戦してみよう!」と思ったのが客室乗務員を目指すきっかけとなりました。
その後、就職活動を通して航空会社で働く素敵な方々の話を聞く中で、自分が30代、40代、50代……と経験を重ねて仕事に誇りを持ち続けることができると思い、航空会社に就職しました。

苦手だからこそ挑戦した、地域創りリーダー養成プログラム

人前で話すことやリーダー役を務めることに苦手意識があり、あえてチャレンジしてみようと参加した「地域創りリーダー養成プログラム」。地域のさまざまな問題に対して学生が解決のために率先して行動していくという実践型授業で、私は子どもの貧困問題に取り組みました。子どもたちと触れ合いたいと考える人同士でグループを作り、問題に直面している子どもたちが集う「子ども食堂」や「支援センター」を定期的に訪問。偏った食生活や孤食などの状況を知り、衝撃を受けました。
そこで、「自分たちでお弁当を作るイベント」や「田畑で収穫したものでご飯を作るイベント」など、食べる楽しさや作る楽しさが分かるようなイベントを開催。子どもたちが「こんなに幸せだった日はない」「みんなで一緒にご飯を食べたことが一番楽しかった」と言ってくれたのが強く印象に残っています。子どもたちとすてきな時間を過ごすことができ、勇気を出して取り組んで本当に良かったと思います。

家族のように支え合う少人数ゼミ

ゼミは13人と少人数で、小林知博先生やゼミ生との関係もとても深いものでした。
少人数だからこそ先生と話す機会が多く、勉強以外にもプライベートなことや、就職活動についても相談に乗っていただきました。航空業界への就職希望をお伝えした際には、その業界に進まれた卒業生を紹介してくださり、多くのアドバイスをいただくことができました。当時とても心強かったのを覚えています。
小林先生は横だけではなく縦のつながりも大切にされていて、年に一回のゼミ会(コロナ禍で近年は中止)では、歴代の卒業生の方とも交流ができ、社会で活躍する諸先輩方と直に話せる機会はとても貴重で有意義な時間でした。このようなゼミ会が開催できるのは、先生が学生一人一人を大切に想ってくださっているからこそ。
我が子のように接してくださった小林先生と協力し合うゼミ生たち。互いの距離が近い少人数制の教育は、神戸女学院大学に入学してよかったと思うことのひとつです。

今後、異文化理解を深めていきたい

学生時代には人や国による宗教の違いを意識するような場面はありませんでしたが、国際線乗務の機内では多くの外国籍のお客さまにお会いしますので、お客さまの宗教観にも触れることがあります。機内の食事サービスでは宗教によっては食べてはいけない食品があったり、調理法が規定されていたりしますので、その方の宗教に合わせた「特別食」を提供しています。宗教の違いも含め、あらゆることに対する価値観の相違や多様性について、私はまだ本当の意味で理解できていないと感じています。今後さまざまな人との出会いや経験、あらゆる機会を通した学びによって異文化理解をさらに深めていきたいと思います。

お客さま一人一人に寄り添うことはとても難しいことですが、「知ろう、理解しよう」という気持ちを常に持ち続け、お客さまからも、仲間からも信頼される乗務員になりたいと思います。

Profile

心理・行動科学科
勝又さん 日本航空株式会社勤務

2014年3月、智辯学園高等学校卒業。2018年3月、神戸女学院大学人間科学部 心理・行動科学科卒業。学生時代はダンス部に所属し部長を経験。小学生を対象にしたサマーキャンプやミニイベントのボランティアにも参加していたそう。現在は日本航空株式会社に就職、国際線の客室乗務員として世界中を飛び回っています。