環境・バイオサイエンス学科

改善の第一歩は、あたりまえを疑うこと

- 環境のプロフェッショナルをめざす -

ヤンマーホールディングス株式会社勤務 隄さん

環境・バイオサイエンス学科を卒業し、現在は産業機械メーカーで活躍している隄さん。在学中に身につけた知識を生かし、エネルギー使用量の削減や環境事故の未然防止など、環境に関する仕事をしているそうです。学生時代にはどのようなことに興味をもって学んでいたのか、お話してもらいました。

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「食」について科学的に学ぶ

微生物をはじめとするバイオサイエンスについて学びたいと思い、環境・バイオサイエンス学科に入学しました。とくに興味をもっていたのは、健康や美容に深く関わる「食」について。自分が普段口にしている食べ物の栄養素について学んだことは、今でも非常に役に立っています。
ゼミは食品基礎科学研究室を選択。卒業論文では企業との共同研究で、コエンザイムQ10を配合したサプリメントが、若い女性の脂肪燃焼にどのような影響を与えるのか調査しました。神戸女学院大学の学生に4週間服用してもらい、一定の効果が期待できるということを実証。データは企業に提供しました。ダイエットのメカニズムの一部を解明し、人の健康と美容に少しでも貢献できたのではないかと思います。
また、環境科学や生態毒性学などの授業を通じて、環境問題に対する幅広い視野と知識も習得しました。人間の活動が環境に与える影響に問題意識をもつようになったことが、今の仕事につながっています。

実践的な英語力を磨く「通訳・翻訳プログラム」

神戸女学院大学に入学を決めた理由のひとつに、英語教育が充実しているということがありました。ビジネスでも通用する英語を学びたかったので、「通訳・翻訳プログラム」を受講。企業の決算報告会や国連のスピーチ、TEDのスピーチなどの題材を通して、実践的な英語を勉強することができました。話し手がひとつひとつの単語に込めた意味を的確に理解し、聞き手にわかりやすいようにデザインして発信する力も身についたと思います。少人数のプログラムだったので、英語でプレゼンテーションをする機会も多くあり、確実に力がつきました。英語のほか、メモの取り方や日本語の正しい使い方などを学んだことも、今の仕事にも役立っています。
また、このプログラムを受講した成果を目に見える形にしたいと考え、TOEIC対策にも力を入れていました。入学時には510点でしたが、卒業時には780点に。学科・全学年1位になれたことは、今でも私の誇りです。

就職活動の不安はキャリアセンターで解消

就職活動は始まる前から不安でいっぱいだったので、キャリアセンター主催のセミナーにたくさん参加しました。とくに参考になったのは、内定が決まっている先輩のお話を聞けたこと。就職活動の進め方について、具体的にイメージできました。
キャリアセンターでは、個別で相談にのってもらうこともできます。私は文章を書くのが苦手だったので、何度も履歴書やエントリーシートを見てもらい、どう表現すれば自分をアピールできるのか、時間をかけて一緒に考えてもらいました。とくに現在の会社は第一志望だったので、何人もの職員の方に見てもらい、いろいろな視点から意見をいただいたことを覚えています。
面接にも苦手意識がありましたが、マンツーマンの練習のおかげで自信を持てるように。最終面接を受けるときには、楽しみながらお話できるまでになりました。

私はまだ、仕事の理想の姿を知らない。

現在は、総務部で環境保全業務を担当しています。仕事をするなかで大切にしているのは、今の仕事にはどういう意味があって、今のやり方が本当に最適かどうかをよく考えること。たとえば以前は紙の書類を多く使っていましたが、電子化することで省資源になり、仕事も効率化されてきています。
また生産活動が環境へ与える影響を調べるため、工場の水質や大気を測定しているのですが、各種環境保全技術への投資や管理の向上により、これまでのやり方を見直し、管理業務を大幅に改善することができました。これまで「あたりまえ」とされていたことでも、一度は疑ってみることが業務の改善・効率化につながると考えています。
環境に関わる仕事は専門的なことが多く、私はまだまだわからないことばかり。仕事に関係のある法律が改正されることもあるため、社会人になってからも勉強の毎日です。これからさらに知識を深めてまずは環境のプロフェッショナルに、そしていずれは総務のプロフェッショナルとなり、多くの業務改善に取り組み会社に、そして社会に貢献していきたいと思っています。

Profile

環境・バイオサイエンス学科
隄さん ヤンマーホールディングス株式会社勤務

2015年3月、滋賀県立彦根東高等学校卒業。2019年3月、人間科学部 環境・バイオサイエンス学科卒業。本当に必要とされるものづくりに携わりたいという思いから、産業機械メーカーのヤンマーホールディングス株式会社に就職。学生時代は新入生が参加する「フレッシュマンキャンプ」のスタッフとして、神戸女学院大学の魅力を伝える活動をしていたそう。