自由に学んだ経験が、自信になる
- 社会人として、母として今思うこと -
- 卒業生
- 大阪府庁勤務 柳川さん
とても活発な学生だったという柳川さん。高校生のときから、大学に入ったらいろんなことに挑戦したいと思っていたそうです。「ほかのどの大学に行っても得られない、すばらしい日々でした」という、4年間の思い出を語ってもらいました。
のびのびとした環境に、心が満たされた
大学時代を振り返ったとき、いちばんに思い出されるのは自然豊かなキャンパスの風景です。環境・バイオサイエンス学科ではよくフィールドワークを行なっていたこともあり、学内に息づく花や虫、動物にたくさん触れることができました。
また、美しく重厚なヴォーリス建築の学舎も、神戸女学院大学の大きな魅力。暇を見つけては迷路のような建物を探検し、お気に入りの場所を増やしていました。友達とワイワイ過ごしたり、ときには一人で静かに過ごしたり。キャンパスはまるで第二の家のように、落ち着ける場所でした。
高校時代の私は、成績が伸び悩み、どこか卑屈になっていた気がします。でも大学に来て恵まれた環境のなかでのびのびと過ごすうちに、心が満たされていきました。
授業と合気道で充実した学生生活
少しでも興味をもった授業は、時間の許す限り受講していました。卒業に必要な単位を取り終えてからも、毎日のように学内にいたと思います。環境・バイオサイエンス学部の授業以外にも、副専攻「キャリアデザインプログラム」の「アート・マネジメントコース」の授業を履修。芸術について多角的に学び、自分たちでアートイベントも企画・開催しました。
また第二外国語で学んだイタリア語を実際に使ってみたくて、先生に相談し、フィレンツェへ単身ホームステイに行ったのもいい思い出です。コミュニケーションをとるのが難しくてもどかしい思いもしましたが、カフェで「コーヒーをください」といって通じたときのうれしさは今でも忘れられません。
授業のほかには1年生のときから合気道部に入り、主将も務めました。簡単そうに見えて思い通りにできないところがむしろおもしろく、自分の体のことをよく知るきっかけにもなったと思います。今でも合気道は、私にとって欠かせないもの。卒業後も通い続けている道場は、先生や先輩、同期、後輩とのつながりの場にもなっています。
カエルの研究を応援してくれた、ゼミの先生
自然や動物が好きだったので、3年生からは動物生態学を専門に学びました。とくに興味をもったのは、環境変化の影響を受けやすいモリアオガエルの生態。卒業論文では、キャンパスの近くにある社家郷山に何度も登り、歩道や堰堤などの人工物が、生息しているカエルの種類にどのような影響を与えているのかを調べました。
動物生態学のゼミではそれまでカエルの研究をした学生はいなかったそうですが、先生が新たな図鑑を用意してくださったり、山へ同行してくださったりと、とても親身になってくださったことを覚えています。
神戸女学院大学の先生方は、学生が興味をもったことを存分に学べるように十分な機会を与え、さらに深めていけるように手助けをしてくださいます。卒業論文を含めて「学びたい」という気持ちを否定されず、思い切り好きなこと追求した経験は、私に自信を与えてくれました。
私はまだ、教えることを知らない。
大学で学んだことを生かせる、環境に携わる仕事がしたい。そんな思いから、卒業後は大阪府庁の環境職に就きました。現在は産業廃棄物の取り扱いについて、事業者の許可申請を審査したり、問題がある場合には指導をしたりする業務を行なっています。
社会人としては7年目になり、後輩の指導係を任されることも多くなりました。そのなかで私のほうが教わることも多々あり、人に教えるということの難しさとおもしろさを実感しています。
またプライベートでは母親となり、半年が過ぎようとしています。これからは子どもに何かを教える機会が、どんどん増えていくはずです。
社会人として、また母として「教える」ということを考えていて思い出されるのは、神戸女学院大学の先生方のこと。表面的な知識を与えるだけでなく、学生と同じ立場に立ち、私たちの話によく耳を傾けながら指導をしてくださいました。
私もそんな先生方のように、相手と信頼関係を築き、一緒に楽しみながら広く深く学ぶ機会を与えられる人になりたいと思っています。
Profile
- 環境・バイオサイエンス学科
- 柳川さん 大阪府庁勤務
2009年3月、大阪女学院高等学校卒業。2013年3月、人間科学部 環境・バイオサイエンス学科を卒業。学生時代は勉強や部活に打ち込むほか、動物病院や子どもたちに勉強を教える「放課後ステップアップ事業指導員」など、さまざまなアルバイトも体験したそう。
大学で学んだ環境に対する考え方や知識はもちろん、学び続ける姿勢も現在の仕事につながっているとのこと。