草花のご紹介

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    アマ/FLAX

    Linum usitatissimum L.

    アマ科

    開花期:4月~5月

    YOUNG CLIFFORD: And beauty, that the tyrant oft reclaims,
    Shall to my flaming wrath be oil and flax. 2 Henry VI, 5.2.54-55

    クリフォードの息子:美は暴君の心を和らげるというが、
    おれの燃えさかる怒りには油とアマとなるぞ。 『ヘンリー六世 第二部』5.2.54-55

    高さ30~120cmの1年生草本、細枝を分枝する。葉は小さく、線形あるいは披針形、長さ2~3cm。花は径1.5cmぐらいで青色または白色で多数つく。原産地は西アジアで、北米やヨーロッパでは帰化植物である。茎から繊維を採り織物(リネン)にするほか、種子からは亜麻仁油がとれる。

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    イチゲサクラソウ/PRIMEROSE (English primrose)

    Primula vulgaris (L.) Huds.

    サクラソウ科

    開花期:3月~4月

    PERDITA:
    ... pale primeroses,
    That die unmarried, ere they can behold
    Bright Phoebus in his strengh. The Winter's Tale, 4.4.122-124

    パーディタ:照る日の神も仰ぎえで
    嫁ぎもせぬに散りはつる
    色蒼めし桜草。(上田敏訳) 『冬物語』4.4.122-124

    多年生の草木で高さ5~7.5cm、葉は多数束生し、膜質でしわ状のひだがある。葉の基部は有翼の柄に連る。直立茎はなく、長さ3.5~15cmの花梗が、約25本くらい束生し、頂端に1花を着ける。花色は淡黄色、園芸品には様々な色のものがある。原産地はヨーロッパ。

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    ウイキョウ/FENNEL

    Foeniculum vulgare Mill.

    セリ科

    開花期:6月~9月

    OPHELIA: There's fennel for you, and columbines. Hamlet, 4.5.180-181

    オフィーリア:王様にはウイキョウ、それにオダマキも。 『ハムレット』4.5.180-181

    大型の多年生草本で無毛、茎は直立し高さ1.5~2m、葉は互生し3~4回羽状複葉で裂片は細かい線状に分かれる。大型の複散形花序を頂生し、多くの黄色小花をつける。果実や葉が薬用および香味料に用いられ、また野菜として食用になる。原産地はヨーロッパの地中海沿岸。

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    ウスベニアオイ/MALLOW (Common mallow)

    Malva sylvestris L.

    アオイ科

    開花期:6月~8月

    SEBASTIAN: Or docks, or mallows. The Tempest, 2.1.145

    セバスチャン:それともギシギシかウスベニアオイか。 『あらし』2.1.145

    高さ1.5m位になる2年草で、全体に白毛が多く、茎はしばしば横に広がる。葉は長柄があり、腎形から円心形で、3~7中裂する。花は桃色から紫色で径2~5cm。ヨーロッパ原産であるが、雑草として世界各地に帰化している。

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    キバナノクリンザクラ/COWSLIP

    Primula veris L.

    サクラソウ科

    開花期:3月~4月

    FAIRY: I must go seek some dewrops here,
    And hang a pearl in every cowslip's ear. A Midsummer Night's Dream, 2.1.14-15

    妖精:露の玉を探してきて
    クリンザクラの耳にのこらず真珠のイヤリングをかけよう。 『夏の夜の夢』2.1.14-15

    多年生の草本で高さ10~20cm。葉は根元より叢生し、しわのある草質で、長さ5~7.5cm、卵状長楕円形で鈍頭。花茎は柔毛があり、花冠は鐘状、黄色で花底に橙斑がある。園芸品では橙黄色、鮮紅色、帯紫色などがある。若い葉はサラダに用いられる。原産地はヨーロッパ、西南アジア、アフリカ北部。

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    キショウブ/FLOWER-DE-LUCE (Yellow flag, Yellow iris)

    Iris pseudacorus L.

    アヤメ科

    開花期:5月~6月

    MESSENGER: Cropp'd are the flower-de-luces in your arms,
    Of England's coat one half is cut away. 1 Henry VI, 1.1.80-81

    使者:イングランドの紋章のキショウブは切り取られました。わが紋章の半分がなくなったのです。 『ヘンリー六世 第一部』1.1.80-81

    葉は長い剣状で中肋は隆起し、やや粉白をおびる。花は径8cmぐらいで花色は黄色であるが、淡黄色のものもある。好水性の植物ではあるが乾燥にもよく耐え、普通の畑でも栽培できる。原産地はヨーロッパ、小アジア、シリア、北アフリカ、シベリアである。我が国へは明治中頃(1890年)渡来する。

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    キンセンカ/MARIGOLD (Common marigold)

    Calendula officinalis L.

    キク科

    開花期:3月~6月

    PERDITA: Here's flow'rs for you:
    Hot lavender, mints, savory, marjorum,
    The marigold, that goes to bed wi'th'sun,
    And with him rises weeping. The Winter's Tale, 4.4.103-106

    パーディタ:皆さまにお花を
    香りの高いラベンダー、ミント、セイバリー、マージョラム、
    それにキンセンカ、太陽とともに床に入り、露の涙に泣きぬれて
    太陽とともに起きる花。 『冬物語』4.4.103-106

    耐寒性のある1年草で、茎は高さ30~50cmに達する。葉は互生、長楕円形ないし披針形で基部は茎を抱く。頭状花は径5~10cmで濃橙黄色、夜間は閉じる。原産地は南ヨーロッパ。シェイクスピア時代のマリゴールドは本種を指し、頭状花はスープ、シチューなどの調味料とされた。

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    クチベニズイセン/NARCISSUS (Poet's Narcissus)

    Narcissus poeticus L.

    ヒガンバナ科

    開花期:3月~4月

    WAITING WOMAN: 'Tis call'd narcissus, madam.

    EMILIA: That was a fair boy certain, but a fool
    To love himself. The Two Noble Kinsmen, 2.2.119-121

    侍女:これはスイセンでございます。

    エミリア:あの方はたしかに美青年でした。でも
    自分自身にほれこむなんてバカね。 『血縁の二公子』2.2.119-121

    鱗茎を持つ多年草で、葉は線形。花は花茎の先に単生し、径約4~5cm。白い花冠の中央に、鮮紅色の縁取りのある黄色い副花冠をつける。口紅状の花冠を持つスイセンとして、古代ギリシャの詩にも登場し、属名は神話に由来する。南ヨーロッパ原産であるが、中部ヨーロッパにも広く野生化しており、花からは香水の成分が抽出される。

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    サフラン/SAFFRON (Saffron crocus)

    Crocus sativus L.

    アヤメ科

    開花期:11月~12月

    CERES: ... with thy saffron wings upon my flow'rs
    Diffusest honey-drops, refreshing show'rs. The Tempest, 4.1.78-79

    シアーリーズ:虹の神アイリス、あなたはサフラン色の翼より私の花に甘露慈雨を降り注ぐ。 『あらし』4.1.78-79

    2.5cmくらいの球茎を持つ多年生草本。葉は多数で狭線形、灰緑色で花後成長して長さ30~45cmとなる。花は大型で淡紫色、芳香が強く、葯は黄色。原産地は地中海沿岸、小アジアと推定されている。一説によれば英国へは1582年紹介された。鮮血色の花柱を薬用、染色用に利用する。

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    セイヨウオダマキ/COLUMBINE (European crowfoot)

    Aquilegia vulgaris L.

    キンポウゲ科

    開花期:5月~6月

    OPHELIA: There's fennel for you, and columbines. Hamlet, 4.5.180-181

    オフィーリア:王様にはウイキョウ、それにオダマキも。 『ハムレット』4.5.180-181

    高さ40~80cmの多年草で、葉は根生の2回3出葉。花は径約5cm、すみれ色で下向きに咲き、花弁の基部に長い距があって後方に突き出る。園芸品では赤、淡桃、淡碧、絞り、覆輪などがある。原産地はヨーロッパ、シベリア。

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    ミント、セイヨウハッカ、ペパーミント/MINT (Peppermint)

    Mentha × piperita L. (M. aquatica L. × M. spicata L.)

    シソ科

    開花期:6月~8月

    PERDITA: Here's flow'rs for you:
    Hot lavender, mints, savory, marjorum,
    The marigold, that goes to bed wi'th'sun,
    And with him rises weeping. The Winter's Tale, 4.4.103-106

    パーディタ:皆さまにお花を
    香りの高いラベンダー、ミント、セイバリー、マージョラム、
    それにキンセンカ、太陽とともに床に入り、露の涙に泣きぬれて
    太陽とともに起きる花。 『冬物語』4.4.103-106

    多年生の草木で繁殖は主として匍匐枝による。茎は高さ30~90cmで直立または斜上。葉は有柄で卵形または広披針形、強い香りを持つ。花は頂端に密集してつき、長さ5~7.5cmの穂状となる。原産地はヨーロッパ。高級な油を産するが収量は少ない。

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    セイヨウヤマハッカ、バーム/BALM (Bee balm, Lemon b.)

    Melissa officinalis L.

    シソ科

    開花期:6月~9月

    QUICKLY: The several chairs of order look you scour
    With juice of balm and every precious flow'r. The Merry Wives of Windsor, 5.5.61-62

    クィックリー:ガーター勲爵士のいすを清めてくれ
    バームと幸ある花の香水で。 『ウィンザーの陽気な女房たち』5.5.61-62

    高さ約60cmの多年草で、多く枝を分ち肉質の短根茎がある。葉は卵形で鈍鋸歯縁、長さ7cmくらいである。花は白色で、3~7個を葉腋に輪状につける。原産地はヨーロッパ南部、小アジア。全株芳香があり薬用にするとともに、蜜源植物としても重要である。

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    ニオイスミレ/VIOLET (Sweet violet, English v.)

    Viola odorata L.

    スミレ科

    開花期:2月~4月

    PERDITA: ... violets, dim,
    But sweeter than the lids of Juno's eyes,
    Or Cytherea's breath. The Winter's Tale, 4.4.120-122

    パーディタ:スミレの花、ほのかに咲くが
    ジュノーのまぶたよりもうるわしく
    ヴィーナスの息よりもかぐわしい。 『冬物語』4.4.120-122

    株のもとから匍匐茎を出して繁殖する多年草。葉は広卵形から円形まで変化がある。葉の基部は心臓形で、花後幅8cm位に発達する。花は径2cm位で花色は濃紫色、白色などがあり、よい香りがある。原産地はヨーロッパ、北アフリカ、西アジア。

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    パンジー、サンシキスミレ/LOVE-IN-IDLENESS (Wild pansy)

    Viola tricolor L.

    スミレ科

    開花期:3月~6月

    OBERON: It fell upon a little western flower,
    Before milk-white, now purple with love's wound,
    And maidens call it love-in-idleness. A Midsummer Night's Dream, 2.1.166-168

    オベロン:キューピッドの矢は西方の小さな花の上に落ち、
    乳のように白かった花びらも今や恋の矢傷で紫に染まったが、
    乙女たちはその花を、「浮気スミレ」と呼んでいる。 『夏の夜の夢』2.1.166-168

    元来は多年草であるが、花壇では1年生。野生種をイギリス、オランダで改良したものである。高さ15~30cm、托葉をもち緑色の長楕円形葉を密生する。野生種は花が小さく、黄、紫、白色からなるが、園芸品種の花色は様々である。原産地はヨーロッパ、西アジア。

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    ヒエンソウ、チドリソウ/LARK'S-HEEL (Larkspur, Rocket l.)

    Consolida ambigua (L.) P. W. Ball et Heyw.

    キンポウゲ科

    開花期:5月~6月

    BOY: Oxlips in their cradles growing,
    Marigolds on death-beds blowing,
    Lark's-heels trim. The Two Noble Kinsmen, 1.1.10-12

    少年:サクラソウは苗床で大きくなり
    キンセンカはお墓で咲き
    ヒエンソウはかっこよい。 『血縁の二公子』1.1.10-12

    高さ80~100cmになる1年生草木で、上部の葉は小形で無柄、下部の葉は長柄があり掌状に3裂し、さらに2~3回羽状に細裂して線状となる。花には長い距がある。野生種の花色はすみれ色であるが、園芸品種には青、白、桃、赤色などがある。原産地は南ヨーロッパで、1573年にイギリスに紹介された。

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    ヒナギク/DAISY

    Bellis perennis L.

    キク科

    開花期:3月~4月

    QUEEN: Therewith fantastic garlands did she make
    Of crow-flowers, nettles, daisies.... Hamlet, 4.7.168-169

    王妃:柳の枝にキンポウゲ、イラクサ、ヒナギクを添えた
    風変わりな花冠をつくり…。 『ハムレット』4.7.168-169

    高さ15cm位の多年生草本。葉は全て根生し、さじ状の倒卵形で長さ2.5~5cm。頭状花は高さ6~9cmの花梗上に単生し、径2.5~5cm。野生種は普通白で下面が淡紅色を帯びるが、園芸品種には紅色、紅紫色、純白色、絞り咲きなどがある。花は夜間閉じる。原産地は西ヨーロッパ、我が国には明治初期に渡来する。

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    ムギセンノウ、ムギナデシコ/COCKLE (Corn cockle, Corn campion)

    Agrostemma githago (L.) Scop.

    ナデシコ科

    開花期:5月~6月

    CORIOLANUS: In soothing them we nourish 'gainst our Senate
    The cockle of rebellion, insolence, sedition. Coriolanus, 3.1.69-70

    コリオレイナス:あいつらを甘やかすことは元老院に対して反逆、不遜、暴動のムギセンノウを育てるのも同然。 『コリオレイナス』3.1.69-70

    畑や路傍に生える1年草。茎は高さ約50cmでよく分枝し、枝先に径約3cmの紅紫色花をつける。花は美しいがムギ畑の雑草となり、種子に含まれるサポニン配糖体はムギに有害である。ヨーロッパ原産で、鑑賞用にも植栽されるが、北米や日本では野生化している例もある。

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    ヨウラクユリ/CROWN IMPERIAL

    Fritillaria imperialis L.

    ユリ科

    開花期:4月~5月

    PERDITA:
    ... bold oxlips, and
    The crown imperial; lilies of all kinds
    .... O, these I lack,
    To make you garlands of, and my sweet friend,
    To strew him o'er and o'er! The Winter's Tale, 4.4.125-129

    パーディタ:大胆なサクラ草の花、
    それにヨウラクユリ、あらゆる種類の百合の花
    あなたがたに花環を作り、私の恋人にたんと撒いてあげたいのだけど! 『冬物語』4.4.125-129

    高さ1mに達する直立性の多年生草本で、茎の上部には紫色の斑点がある。鱗茎は大きく、強い臭気がある。葉は多数で30~40葉が叢生し、長さ10cmぐらいである。花は花茎の上部に密集して下垂し、長さ約6cmの鐘状花、煉瓦紅色または黄色のものが多い。原産地はイラン、トルコ、インド、西ヒマラヤで、1590年頃ヨーロッパへ紹介された。

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    ラッパズイセン/DAFFADIL (Wild daffodil, Lent lily)

    Narcissus pseudo-narcissus L.

    ヒガンバナ科

    開花期:3月~4月

    PERDITA:
    ... daffadils,
    That come before the swallow dares, and take
    The winds of March with beauty. The Winter's Tale, 4.4.118-120

    パーディタ:燕もまだ来ぬうちに咲き出でて
    その美しさで三月の風をうっとりさせるラッパズイセン。 『冬物語』4.4.118-120

    球茎を持つ多年生草本で、葉は直立し長さ35cm位。葉幅は0.6~1.2cm、粉白をおびた緑色、花茎は葉と同じ長さ。花は大きいものから小さいものまであり副花冠はラッパ状。花は硫黄色、クリーム色、白色等で、うつむいて咲くかほとんど横向きに咲く。原産地は西ヨーロッパからイギリス。多くの園芸品種がある。

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    ラベンダー/LAVENDER (English lavender)

    Lavandula angustifolia Mill.

    シソ科

    開花期:6月~9月

    PERDITA: Here's flow'rs for you:
    Hot lavender, mints, savory, marjorum,
    The marigold, that goes to bed wi'th'sun,
    And with him rises weeping. The Winter's Tale, 4.4.103-106

    パーディタ:皆さまにお花を
    香りの高いラベンダー、ミント、セイバリー、マージョラム、
    それにキンセンカ、太陽とともに床に入り、露の涙に泣きぬれて
    太陽とともに起きる花。 『冬物語』4.4.103-106

    高さ90cmくらいの常緑半低木、葉は線状披針形で長さ4cm、幅4~6mm、反巻し、幼時白色の綿毛がある。花は淡紫色で長さ6~12mm、花茎に輪生して多数つく。花および茎、葉から香水(ラバンデル水)をとる。原産地は地中海沿岸、英国へは1568年に入る。