1月10日（水）CDP211(2)「プレゼンテーションの技法」（担当：安藤善隆講師）」において、株式会社FM802　802編成部長の今江元紀氏をゲストスピーカーとしてお招きしました。今江氏にご登壇頂くのは、ZOOMでのご講義も含め今回で5回目となります。

今回は今江氏がご持参されたFM802のフリーペーパーを参考にしながら、FM802の独自性、収益の柱といった経営に関するお話やプロデューサーの業務、タイアップ企画が出来上がるまでの具体的な事例などをご講義頂きました。
今江氏が一貫して強調されていたのは、「ラジオ局」というステレオタイプとは全く異なるFM802の独自性、そこから生まれる自由な発想、それを受け入れる企業風土です。ご持参いただいたフリーペーパーの表紙にもアートを取り入れるなど「尖った」雰囲気を前面に出しておられるそうです。
FM802では90％以上が自社制作番組であるため、DJやディレクターが推すアーティストや曲を「ヘビーローテーション」として1曲フル完奏で流し、全番組でオンエアすることが可能です。DJはFM802と独占契約を結び、番組ではリスナー相手に話す「一人喋り」となります。また、関西近辺の商業施設・お菓子メーカー・旅行社や、映画とタイアップし高校で公開収録をするなど、地域密着のラジオ局として様々なイベントも企画されておられます。鉄道会社とのタイアップでは、有名アーティスト2名による共作を企画し、旅先での写真・動画をMVに使用するといったキャンペーンも行われました。

また、今江氏は「やりたいことを実現するには影響力が必要。影響力を持つには信頼を得ることが必要」と語り、ご自身がどのようにアーティストと信頼関係を築いたのか、これまでのご経験を事例に挙げてご説明くださいました。
新人の頃からFM802のヘビーローテーションでプッシュし、その後もライブや楽屋に顔を出し関係性を保つことによって、そのアーティストからの信頼を得、有名になった後も様々な提案に対し「FM802なら」と快諾してくれることが多々あるそうです。

最後に、受講者より「アーティストにどうやってオリジナル性をアピールしているのか？」「DJの一人喋りのネタはどこからもってくるのか？」「大学生という今を今後の人生にどう生かしたらよいか？」といった質問があり、FM802のターゲット世代である受講者にとって身近で興味深い講義となりました。