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大蔵流狂言方 善竹忠亮氏がゲストスピーカーとして来学!
2023年06月21日(水)
5月31日(水)に行われたCDP322(1)「アート・パフォーマンス」(担当:上念省三講師)におきまして、大蔵流狂言方の善竹忠亮氏をゲスト講師としてお招きしました。
曽祖父彌五郎氏は狂言界初の人間国宝です。忠亮氏は四代目として、四歳のころから祖父忠一郎氏より手ほどきを受けられました。以後、ご自身も様々な舞台で活躍しながら、一方で子供向け狂言教室も開催するなど狂言の普及・実演活動につとめておられます。
授業は狂言の言い回しを所々に含めた講義形式で行われました。
能と狂言の違い、能面や能楽堂について、狂言の型などの解説の後、狂言の大きな特徴とも言える「擬音=オノマトペ」について実演を交えて解説してくださいました。
鐘が鳴った後の余韻や鶏、烏、犬、梟などの動物を身体全体で表現されたり、狂言の小道具である扇を匙や盃に見立て、擬音を交えて実演される様子は、実際に食事や飲酒をされているのかと錯覚するようでした。
続いて説法の中に39種類もの魚の名前を盛り込んでいる魚説経という演目をご披露されました。受講生は忠亮氏の詞に集中して耳を傾け、魚の数を数えたり、名前を控えたりと狂言の世界に引き込まれていったようでした。
最後に忠亮氏は「今後様々な文化や芸術にふれるにあたっての心がまえとして、自分の属しているものだけが正しい、他が間違えているという考えは控えてほしい。多様性を尊重してほしい」とご講義を締めくくられました。
受講生の感想
・お話の間にたくさんの笑いを入れていただき、飽きることなく楽しむことができまし た。また、ところどころに実演しているのを見ることが出来、本当に貴重な体験をして いるな~と実感しました。
・最後におっしゃっていた多様性を認めることが大切であるという言葉に感動しました 。私自身、自分の好きなものと他の何かを比較して、他のものを悪く言ってしまったこ とがあるのではないかと考えさせられました。
・歴史や能楽堂についての基礎的な知識から、狂言の詳しい説明と実演まで、今まで学 んだことと合わせてさらに理解を深めることができたように思います。特に現代におけ る能楽の問題点についてのお話が印象に残りました。
・想像している倍以上の大きさで発声をされて、とても驚き、声の大きさに感動しまし た。
・能や狂言について詳しく学ぶ前はまったく知らなくて、見ることもなかったのですが 、 お面の表情や衣装の模様など様々なものに興味がわくようになりました。とても楽しか ったです。ありがとうございました。