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ジャーナリストの石丸次郎氏がゲストスピーカーとして来学!

2019年06月17日(月)

 6月11日(火)のCDP312(1)「プロフェッショナル・ライティング」(担当:江弘毅講師)において、ジャーナリストの石丸次郎氏をゲストスピーカーとしてお招きしました。
 石丸氏はアジアプレス大阪事務所代表で、北朝鮮取材を中心に活動されています。アジアプレスは1987年に発足した独立系ジャーナリストの協働ネットワークで、現在のメンバーは約30人。アジア各地にオフィスがあり、活動領域はアジアにとどまらず世界のほとんどの地域におよんでいます。

 情報発信の東京一極化が進む中、敢えて大阪を拠点に活動を続ける理由は「社会を見る目は複眼であった方が良い」と、『非東京の眼』を大切にされているからだそうです。
 日本国内で流通する情報の多くが、東京圏に住む人の感覚や価値判断で制作され、東京のメディアを通じて発信されています。しかし、そうして一方向から光を当てているだけでは世の中が立体的に見えてきません。「ジャーナリストは光を当てる仕事」と何度も強調され、多方面から光を当てるために、社会を見つめる眼は複眼・多眼であった方が良いとのことでした。

 北朝鮮の取材については、強権国家で閉鎖体制のため非常に難しいことをお話しいただきました。石丸氏はこれまで3回北朝鮮へ取材に行かれましたが、就寝時以外常に監視が付き、普段ニュースで流れるような演出された部分しか見せてもらえなかったそうです。何度行っても超えられない壁があり、壁の向こう側に光を当てたいのにどうしても当てることができないのが現実でした。そこで、北朝鮮の内部の方々に情報を発信してもらうことで、現地の生の声を入手しているそうです。講義内でその映像と音声を聞かせていただきました。

 昨今は、届ける・表現する・発信するということを自分たちで自由に行うことが可能であり、「ビデオカメラ代10万円と志があれば、誰でもジャーナリストになることができる時代」と言う石丸氏。「光を当てる仕事の楽しさを知ってほしい。世間が知らないことにぶち当たることが、どんなに楽しいことか」とジャーナリストという仕事の大変さと楽しさを存分にお話しいただいたご講義となりました。

  • ゲストスピーカーの石丸氏
    ゲストスピーカーの石丸氏
  • 石丸氏と江講師(左)
    石丸氏と江講師(左)
  • 講義風景
    講義風景
  • 授業後に質問をする学生
    授業後に質問をする学生