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ノンフィクションライターの近藤雄生氏がゲストスピーカーとして来学!
2018年06月14日(木)
6月12日(火)のCDP312(1)「プロフェッショナル・ライティング」(担当:江弘毅講師)に、ノンフィクションライターの近藤雄生氏をゲストスピーカーとしてお招きし、「旅して書く」と題してご講義いただきました。
近藤氏は、東京大学大学院修了直後に結婚され、奥様と共に5年半に渡って世界各国を旅されました。旅中にライターとしての経験を積まれ、2008年に帰国。現在はノンフィクション、エッセイ、ウェブや新聞の執筆、大学非常勤講師、さらにはテレビ番組制作にも携わっておられます。もともとは物理学者志望で、宇宙飛行士になることを考えていたこともあるほどの「理系」ということで、理系ライティングの仕事でもご活躍です。
大学2年生の時に出会ったサイエンスの本がきっかけとなり、サイエンスジャーナリストを志望されていました。しかし、大学の卒業旅行でインドへ行った際、人生や社会の出来事について長い文章を書きたいと思い、ルポライターに興味を持ち始めたそうです。
100万円の資金で、オーストラリアからスタートし、東南アジア、中国、ロシア、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカと世界中を飛び回り、中国雲南省滞在時には大学にも通われました。
実は同氏には"吃音"というコンプレックスがありました。高校時代から悩まされ、大学時代に深刻化。就職も厳しい状況に陥りました。就職せずにフリーでライターになるという思い切った決断の原動力となったのがこの"吃音"だったそうです。"コンプレックスは最大のエネルギー源になる"という心強いお言葉をいただきました。
雲南省滞在時から吃音は少しずつ減り、その後克服されました。
旅のお話は大変興味深く、受講生は話しに引き込まれていました。近藤氏の軽快なトークに教室は終始笑いの渦に包まれました。
講義概要
- 「取材」とは、出会いであり、「書く」とは、思考を深めること。
- 原稿の単価が安くなっている今日、"きちんとした文章"を書くことが求められている。昔より文章を磨くことが大切な時代である。
- ウェブ媒体と紙媒体について。ウェブの見せ方はどちらかというとテレビに近い。文章の本質・技術よりネタで広がりやすい。紙の良いところは、制限があること。原稿を出したらもう直せない、文字に限りがある。よって、技術・能力が上がる。
- どう生きたいか、素直に生きる。海外に出て、色々な生き方があることを知った。
- 考え、もがき、動くことで、必ず新たな世界が開けてくるはず。