豊富な学外実習

アートの現場や支える人たちと接することで、社会や地域にアートの素晴らしさを伝えられる人になってほしい

アート・マネジメントコース 上念省三講師

写真:アート・マネジメントコース 上念省三講師

実物に触れ、作家や学芸員から直接話を聞く機会も

芸術鑑賞は、実物に触れることが基本です。そのため、舞台や美術館での芸術鑑賞など、様々な学外実習を実施しています。幸い、阪神間には多くの美術館や劇場があります。とはいえ、なかなか訪れる機会がないという学生も多く、もっと気軽に芸術に触れるきっかけとなるようにと考えています。

何を鑑賞するかは、その時々で異なりますが、例えば先日は現代芸術の展覧会で、作品をつくる側である作家と、それを展示する側である学芸員と、双方の話を聞く機会を設けることができました。作家からは作品に込めた思いなどを、さらに学芸員からは企画展示における工夫などを聞くことで、より立体的な理解を得られたと思います。

また、留学や海外研修で異文化に触れることも多いでしょうから、日本の伝統文化、芸能にも触れる機会を設け、アイデンティティとしての文化教養を身につけられるようにしています。

今後は、美術展やパフォーマンスに限らず、画廊なども訪ね、多様なアートシーンを実感してもらえるようにしていきたいと考えています。

芸術を支える人にも目をやり、自分ができることを考えてほしい

芸術には、人生における様々な場面で、人を豊かに、そして幸せにする力があります。発想力や表現力という意味でも、アートという引き出しを持つことで、独自のクリエイティブな提案ができるようになるはずです。また、感情を切り替えるスイッチという意味では、文化・芸術は「心のセーフティネット」とも言えます。

さらに、芸術の素晴らしさを自分だけのものにするのではなく、多くの人に伝え、周りの人をも豊かにしていってほしいと期待しています。特に、本コースはアーティストではなく、アートを支え、広めていく人や考え方を養うものです。アートを支えるバックヤードにも目を向け、「自分たちは何を支えるのだろう」「どう支えることができるだろう」と考えを深めていってほしいと思います。

アートと関わり、その素晴らしさを広めていってほしい

直接的にアート・マネジメントと関わる仕事に就く以外にも、例えば企業の社会貢献として、広く社会を支える基盤として、アートと関わる機会は社会に多くあります。特に女子学生は、将来、結婚や出産・育児というライフステージに進んだ時に、何を"良きもの"として選び、次世代に継承していくのか、あるいは地域へと還元していくのか、様々な関わり方があると思います。

芸術に興味がある人はもちろんですが、美術館や劇場に行ったことがないという人にもぜひ受講してもらい、芸術の素晴らしさを知り、その輪を広げていってほしいと思います。

過去の主な実習先

  • 帝国ホテル大阪
  • リーガロイヤルホテル大阪
  • 兵庫県立芸術文化センター
  • 神戸新聞松方ホール
  • いずみホール
  • 国立国際美術館
  • 大阪近代美術館
  • 芦屋市立美術博物館
  • 西宮市大谷記念美術館
  • 大槻能楽堂
  • 大阪能楽会館
  • 應典院