派遣留学
留学期間
2024年8月-2024年12月
フィリピン

【サンパギータ】ミリアム大学

私の留学日記 in フィリピン Part 1

ミリアム大学内のオブジェ(Part1).jpg
ミリアム大学内の景色(Part1).jpg

はじめましてこんにちは。英文学科4回生のサンパギータと申します。

7月末に開始した留学生活も残すところ3分の1程度となりました。
私がフィリピンを訪れるのは実は今回が2度目です。1度目は高校生の時、フィールドワークで1週間程度滞在しました。その際に感じた現地の人々の優しさと温かさは今も大切な思い出として記憶に刻まれています。あれから6年が経過し、再び訪問する機会に恵まれたことに感謝しています。そんな私の留学生活を2回に分けて紹介します。

まずは学習面について紹介します。

1、履修科目について

 私が履修している授業についてです。
まず、専攻はBAIS(Bachelor of International Studies)で、神戸女学院大学のグローバルスタディーズコースに近い内容です。

 その中で私が履修しているのは3科目、
①Philippine society and culture(1年生向け)
②Feminist perspectives on politics and development(2年生向け)
③Gender justice and human rights(4年生向け)の3科目
です。

①は、人類学、言語学、経済、政治、教育、ジェンダー、宗教 など 様々なテーマの文献を通して、フィリピン人とは何か、フィリピン人のアイデンティティとはいかなるものかに関する考察を行うことが授業全体を通してのテーマです。
1時間半の授業が週に2回設けられており、学生数は20人弱程度です。リーディング課題のページ数は多く、また、割り当てられたテーマの内容を要約して発表するというグループプレゼンが月に一度ほど課せられるため何かと忙しいクラスですが、あらゆる観点からフィリピンについて考える機会があり、興味深いです。フィリピンは、スペインをはじめアメリカや日本などの支配下におかれた歴史をもち、現在のフィリピンは依然としてこれらの国々の影響が強いといわれています。そのため、フィリピン固有の文化や習慣を特定することは困難です。それゆえに、彼らは自分たちのアイデンティティを模索し続けていると知りました。独自の文化が多く存在する日本に生まれ育った私は、自分のアイデンティティについて思考したことがなかっため、日本とは全く異なる状況で歴史を経た国で学ぶからこその気づきを得ることができました。

②は、ジェンダー問題(フィリピンにおけるジェンダー不平等、インターセクショナル フェミニズムやトランスナショナル フェミニズム など)についてTEDトークの視聴や論文等のリーディングを通して考察し、クラス内でディスカッションを交わす内容です。以前からジェンダー問題に関心を抱いており、留学前から大学で女性学やジェンダーをテーマとした授業を頻繁に履修していた私にとって一番興味深いクラスです。授業は3時間の対面クラスが週1回設けられています。前半の約90分は予習課題に対する先生の解説がなされ、休憩を挟み後半は前半で取り扱った資料に関してクラス全体で議論を交わします。3時間の授業の受講経験がなかったため、当初は集中力の持続を懸念していましたが、20人強の学生による参加型の授業形態であるため、雰囲気も和気あいあいとしており時間の経過も早く感じます。ジェンダーギャップ指数を比較するとフィリピンは日本よりも上位であるため、一見ジェンダーに関するステレオタイプや、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は少ないと想像されます。しかしカトリック教徒が国民の大部分を占める影響により、聖書に基づいた保守的なジェンダー観を持つ人も少なくないことが先生の話や学生たちの体験談を通して判明しました。私の中のフィリピンにおけるジェンダー意識について新たな見解を与えられたと実感しています。

最後に③は、名前の通り人権やジェンダー正義がテーマでそれらに沿った映像資料や文献に触れ考察を重ねます。授業は、オンライン形式の3時間のクラスが週に1度設けられています。こちらは、他の2つと比較すると学生数は7名程度と少なく、ゼミのような授業です。オンラインであるため、対面の授業と比較して他の受講生との距離を縮めるのが困難な点は少々残念ですが、その分、授業内での発言や交流の機会が多いのは利点であるといえます。4年生向けの授業であるため少々難易度は高く、例えばエッセイ課題は、提示された資料を読んでレポートに要約するだけでなく、使用する文献選びから自分で行う必要がありました。また、文献内に記されている出来事を時系列に沿ってマップにまとめると課題も提示されました。文字やPPT以外の手段を用いた要約経験は乏しかったため戸惑いましたが、チームメイトのサポートを得ながら何とか完成に至りました。

私の留学日記 in フィリピン Part 2

クバオエキスポ観光(Part2).jpg
カフェテリアランチ(Part2).jpg

続いて生活全般について紹介します。

2、大学の施設について

図書館:平日の7:00頃~18:00頃まで利用可能です。個人での作業に適したエリアとミーティングなどの話し合いに使用されるエリアに区別されています。館内は空調が整備されており快適ですが、長時間滞在の場合は寒く感じるため、上着を所持が必要です。

カフェテリア:日曜日を除き朝6:00頃~17:00頃まで利用可能です。メニューはフィリピン料理中心です。私のお気に入りはPinakbetという野菜料理です。値段は写真のものでだいたい150PHほどです。また、軽食も販売しており、ポテトフライ、ワッフル、クレープ、たこ焼き、フルーツジュース、ヨーグルトドリンクなどがあります。たこ焼きの中身は、タコ以外にポークやハムチーズなどの選択肢があることに驚きました。

ジム:大学の敷地内にジム(ミリアム大学の学生は1回50PH)があり、時々利用しています。フィリピンは車社会であり、道路も歩行用に整備されているとは言い難い場所が多いことから外出時には車をよく利用します。数十分の距離も徒歩での移動が多い日本での生活に比べると運動不足になってしまいます。そんな生活にジムが役立っています。

プール:Residence Hall(寮)の目の前にプールがあります。普段は水泳のクラブに所属している学生によって利用されることが多いですが、一般の学生も利用可能なようです。(私は利用経験なし)


3、Residence Hall (寮)での生活

Residence Hallは大学の敷地内にあり、3人部屋と5人部屋に分かれています。私は5人部屋を選びました。部屋にはベッド、机、椅子、クローゼットが一人一台ずつあります。トイレ、シャワーは部屋にはなく共同です。ちなみに、クローゼットは鍵もかけられるので、プライバシーは確保できます。フロア全体には合計20人ほどの学生がいて、大変にぎやかです。特に食事を一緒に食べる時間は会話の機会としても有効です。それぞれの食事を観察するのもまた楽しみの一つです。誰かが誕生日の日はみんなでケーキも食べました。ちなみに、写真のクマのぬいぐるみが持っているお花は、私の誕生日に同室友人からプレゼントされたものです。


4、休日の過ごし方

フィリピンはカトリック信者が国民の大半を占めています。そのため、日曜日は教会を訪れ祈りを捧げるのが一般的です。私はクリスチャンではないですが、友人に誘われ一緒に教会にいきます。礼拝の様子がプロテスタントである本学のそれとは異なるため最初は戸惑いましたが、現地の人の動作を見よう見まねで参加しています。途中で歌われる聖歌の歌詞も少し覚えました。
また、UPTown Centerと呼ばれる大学から徒歩10分ほどのモールも頻繁に利用します。マクドナルド、ジョリビー(フィリピンでマクドナルド以上に人気のファストフード店)、スタバ、ユニクロ、H&M、本屋、コスメ、スーパー、ダイソー、ATM、パン屋、雑貨屋、ストリートフード、和食、韓国料理、中華、フィリピン料理、ベトナム料理、タイ料理、イタリアン、スイーツ、本当に何もかもそろっており、何度訪れても楽しめます。教会の近くに位置していることもあり、日曜日は友人と一緒にここで食事をすることも多いです。
その他、車で30分ほどかけてSMモールオブアジア(世界最大級のショッピングモール)を訪れたり、電車の乗ってクバオエキスポという観光スポットに行って食事をしたこともあります。
ちなみに、移動手段はグラブというタクシーがおすすめです。アプリを使用してタクシーの予約が可能です。30分程度の乗車で1000円弱と日本と比較して安いです。値段に関しては予約の際に表示されるためぼったくりの心配もありません。


5、気候

気温は大体30度前後です。日本の夏の時期と比較すると温度は低いですが、紫外線は日本より強いことに加え、交通量の多さによる排気ガスにより体感温度は高く感じます。そのため、帽子や日傘は必須です。ただ、大学の敷地内は緑も多く、風も心地よいので幾分快適です。

誕生日にもらった花(Part2).jpg6、その他

友人の中にはフィリピン出身者以外にパプアニューギニアや東ティモール出身者がいて、フィリピン以外の文化に触れる機会にも恵まれており、その都度、自分自身や日本という国について見直すきっかけになります。例えば、300年以上スペインの支配下にあったフィリピンは今年で独立125年、パプアニューギニアは約50年、アジアで最も新しい国である東ティモールは約20年です。友人たちからそれぞれの国の歴史に触れるたびに、数千年の間一部の地域を除いてどこの国の占領下にもおかれず、存続してきた日本がいかに稀有な存在であるか、さらに、その国に生まれた事実を誇りに感じるようになりました。日本にいる間は気に留めることがなかった当たり前に対して感謝することを教えられました。


少しでも私の日常生活の様子が伝われば幸いです。
フィリピンに滞在できる時間も残り少なくなってきました。課題等に追われる忙しい日々ですが、その中でも周囲の人との何気ない関わりや異なる文化・価値観に触れた際の新たな発見を大切に過ごしていきたいと思います。

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