70周年記念誌
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「理解する。でも、無理に合わせない」のが、異文化を生きる術。088ない。その重圧は並大抵のものではありませんでしたが、持ち前の「なんとかなる!」の精神で挑みました。通常は任期5年といわれる総支配人職を、20年間努め、その間に現地で結婚して子どもにも恵まれ、ハワイが私の生きる場所になりました。留学や海外転勤、総支配人のポジションなど大きな決断時に私の背中を押したものは、2つあります。1つは、持ち前の「なんとかなる」の姿勢。ポジティブ思考はもともとですが、女学院でより磨かれてしまったというか……(笑)。学生が少ない分、人と比較して自分探しをする必要がなかったんですよね。競争意識なしに、他者にも自分にも素直な気持ちで向き合える。ありのままの自分の“いいところ”を自然と見つけられて磨くことができる。そんな環境で自分の持つポジティブさに気づき、より自信を持てた気がします。もう1つは、女学院の先生の存在。授業で「ジェイン・エア」を読んだ際、登場人物の“内に秘めた感情”をアメリカ人の先生が日本人では考えられないような内容で考察されきむら やまさき きょうこ1987年、文学部 英文学科卒業。就職後、Cornell大学GM Programに進学。現在は、ハワイ在住にてホテル経営に携わる傍ら、公職としてマウイホテル協会会長、日系人商工会議所会頭、ハワイ観光局理事などを務める。ジョージH.W.ブッシュ元大統領やノーベル平和賞受賞者の元コスタリカ大統領の同時通訳を務めた経験も。2児の母でもある。  

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