70周年記念誌
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087ありのままの私が新しい扉を開かせる。「24時間、働けますか?」というかつての栄養ドリンクのCMのキャッチコピー、聞いたことのある人はもう少ないでしょうか。私は、そんなムード漂うバブル期のさなかに大学生と就職を経験した世代。好景気でどの会社も勢いがあり、卒業後は軽い気持ちでホテル業界に社長秘書として就職したんです。正直、数年働いたら結婚する予定でしたし(笑)。でも、転機が3年目に訪れました。ニューヨークにある大学のホテル学科への留学を会社から打診されたのです。「せっかく学費を出してくれるなら、行ってみようかな」と、これまた軽い気持ちで渡米。あれよあれよと、半年後にはハワイ・マウイ島のホテル開発プロジェクトのメンバーとして招集され、ハワイに転勤することになりました。開発プロジェクトでは、上司の通訳から建築家との折衝まで、秘書とはまったく違う仕事に触れ、ゼロからホテルを建てる仕事の楽しさを実感。やりがいに目覚め、これは結婚退職している場合ではないぞ、と思い始めました。ちょうどその頃に、上司が異動で帰国することに。オープンしたマウイ島のホテルの総支配人に、なんと当時まだ25歳だった私が抜擢されたんです。訪れるゲストだけでなく、100人を超える従業員に対しても責任を持ち、経営を考えなければなら 

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