70周年記念誌
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「今」をテーマに、100年先にも残る映画を。077-Memory映画制作アルバイトで資金を稼ぎ、映画製作に明け暮れた学生時代。スポンサー探しでNHKの扉を叩いたことが就職のきっかけに!-Spot講堂講堂はとっておきの場所。空き時間に音楽学部のパイプオルガンの練習をBGMに、長椅子に寝転び過ごすのが大好きでした。作品をつくる中で常に考えて続けてきたのは、黒澤明監督や今村昌平監督などの巨匠が撮れなくて、“私”が撮れるものは何か、ということ。その答えの一つが、「今の時代」とそこに生きる「自分」が持つテーマを取り上げること。でも一方で、巨匠たちの映画のように、100年先の人にも届く普遍的な作品にしたいという思いもある。『幼な子われらに生まれ』は、子持ち同士で再婚した家族が、血のつながり以外でどう結びついていくのかを描いた作品。離婚・再婚率の上昇といった社会背景、私自身の家族との関係などを取り上げながら、「家族」という普遍的なテーマに切り込み、多くの人の心に深く届けることが少しはできたかもしれません。結局、映画をつくることって「人間を知ろうとすること」だと思うんです。どこにもいない“誰か”を生み出すために、その人のあらゆる面を具体的にイメージし、輪郭をはっきりさせていく。そうすれば、あとは登場人物が自然発生的に物語を進めてくれる。一人ひとりを知ること、人間そのものを知ること、さらには自分自身を知ること。この3つを繰り返すことが、これからも私の仕事です。あの頃の私へ「君たちは芸術作品の中で毎日学んでいるんですよ」。ある日、校舎までの道のりをご一緒したキリスト教学の先生に言われた言葉、今でも胸に刻まれています。誠心誠意でつくられた校舎には、美しさとやさしさがあふれている。そんな心地よさの中で、何にも邪魔されずに「自分が何をどう感じるか」を大切にして、毎日を過ごしてほしいですね。  

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