70周年記念誌
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子どもか研究か。その考え方は、終わりにしないと。061-Memory学会発表憧れの先行研究者、ローディガー博士とマクダーモット博士と同じ学会の舞台で発表。コメントまでいただき感激しました。-Spotソールチャペル研究で疲れたときはここへ。ぼんやり過ごす時間で癒やされました。秋になったら銀杏の木を眺めるのも癒やしの時間でした。  RPD終了後は、年齢を考えて第2子を出産。再びRPDに申請し、現在は専修大学に籍を置いています。出産で研究を諦める女性もいますが、私の場合は出産があったからこそ続けられたようなもの。働きながらの育児は、まだまだネガティブなイメージが強いですよね。だけど実際は楽しい面も多く、子どもとのエピソードが授業に活かされることもあります。出産したらもう研究は……という風潮は、私たちで終わりにしないといけません。私は若く出産したので、就職に悩んでも「子どもがいるからいいじゃない」と言われることがあります。でも、それが最善かどうかはその人次第。研究を積んで地位が安定した頃に出産した方もいれば、子どもが欲しい時にはもう授かれなかった方もいます。一言で女性研究者のキャリアと言っても、本当にさまざまです。これは私の記憶研究にもつながるのですが、一つの現実でも、見方によって幾通りもの捉え方ができます。自分が将来どうしたいかと考えた時、正解は決して一つではなく、多様な生き方、捉え方があるということを、若い人たちには知っておいてほしいと思います。あの頃の私へ記憶の研究に、「辛い記憶を語り直すと良い記憶になる」というものがあります。例えば入試や就職に失敗しても、逆に良かった点はなかったのかと振り返り、自分の言葉で語り直すと、ポジティブに評価できるようになります。辛い経験は時間が解決することもありますが、直後でも良い点がきっと見つかるはず。辛い時こそ見方を変え、前向きに捉え直してみて。

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